特別小集会「農業生産現場の最前線~害虫の再流行の要因を考える~」
日本応用動物昆虫学会では、基礎分野と応用分野の両方を重視しており、害虫防除指導の現場に立つ公設試験研究機関などで勤務する都道府県職員会員に対して有益な活動を行う必要があると考え、昨年の鹿児島大会では、特別小集会「~都道府県学会員の未来を考える~」を開催いたしました。今年度は、農業生産現場で一度沈静化したにもかかわらず再び問題になっている害虫にスポットを当てた特別小集会を開催いたしますので、奮ってご参加下さい。
学生会員含め、都道府県職員以外の方々のご参加も歓迎いたします。
- 日時
- 3月26日(火) 13:00~15:00
- 会場
- A会場
- 概要
-
世に栄枯盛衰があるように、農作物害虫にも流行り廃りがある。長い間メジャー害虫であり続けることは稀である。そのなかで、かつて全国的に問題化した害虫が、一旦沈静化した後に再び多発することがある。近年、西日本地域を中心にシロイチモジヨトウが多発している。本種は、かつて1980~1990年代にかけて葉菜類の難防除害虫として問題となったが、その後20年間あまりは「ただの虫」の状態に沈静化した。なぜ、今、再び、害虫として顕在化したのか?その背景に何があるのか?
本小集会では、シロイチモジヨトウの事例を中心に、害虫が”復活”する背景に関わる要因ついて考えながら、生産現場から求められる防除対策について、予防(発生予察)と対処(防除)の観点から検討できればと考えている。
- 演題
-
(1) 野菜類の主要チョウ目害虫の変遷
八瀬 順也1・野村 昌史2 (1兵庫県立農林水産技術総合センター・2千葉大学) -
(2) 長距離移動性のチョウ目害虫
村田 未果 (農研機構 野菜花き研究部門) -
(3) 最近のシロイチモジヨトウの発生生態と薬剤感受性について
冨原 工弥 ら (兵庫県立農林水産技術総合センター) - (4) 意見交換